エステサロンやネイルサロンなどで脱毛メニューを検討したときに必要となるのが、業務用脱毛機です。業務用脱毛機は、家庭用の脱毛器と比べて出力が強く、高い効果が望めます。
しかし、ネットで検索してみても、どこも同じような性能に感じてしまい、「何を基準に選べばいいのかわからない」と感じた経験はないでしょうか。業務用脱毛機を始めとした美容機器は非常に高価なうえ、サロンの売上に直結します。購入してから後悔しないように、念入りに選定することが重要です。
今回のコラムでは、業務用脱毛機を選ぶポイントと最新の脱毛方法についてお話していきます。
業務用脱毛機を選ぶポイント
まずは業務用脱毛機を選ぶ5つのポイントについて解説していきます。
- 脱毛方式
- 施術スピードなど機能性
- 安全性・補償内容
- アフターサービスの手厚さ
- ランニングコスト
脱毛方式
業務用脱毛機には、医療機関でしか使用できないレーザー脱毛とエステサロンなどで使用される光脱毛があります。
レーザーを活用して脱毛組織を壊すという施術は、医療行為にあたります。そのため施術者は医師免許もしくは看護師免許を持つ人しか扱うことができません。そもそも、医療用の脱毛機は医師免許がなければ購入することができないため、今回は、光脱毛についてお話をしていきます。
光脱毛とは「特殊な光を広範囲で肌に当て熱を発生させることで、毛根にダメージを与え徐々に発毛能力を弱らせる」方法です。
脱毛方式によって、
- 働きかける部分
- 施術の時間
- 施術の痛み
- 脱毛完了までにかかる期間
- 脱毛効果の感じ方
などが異なってきます。
例えば、子ども向けの脱毛を行うのであれば、細い毛にもしっかりと効果が出て、肌トラブルが出にくい低刺激な脱毛方式を選ぶのが良いでしょう。
脱毛方式による特徴の違いは後ほど説明していきます。
施術スピードなど機能性
業務用脱毛機は単発式と連射式の2種類に分かれています。その名の通り、単発式は1発ずつの照射を行い、連射式は1秒あたりの照射数が2発以上の物を指します。同じ連射式と言っても、数はメーカーによって異なっており、多いものだと10連射を行うものも。
当然連射式のほうが、施術スピードが上がりやすいです。しかし、注意したいのが連射式脱毛機の中には、単発式の1発分のパワーを分割しているものがあります。
このようなマシンを選ぶと、弱い出力を連射しているだけになるので、効果を出すためには往復照射が必須となります。すると、時間がかかるだけではなく、ランプなどの消耗が激しく、ランニングコストがかさむ結果になります。
安全性、保証期間・内容
業務用脱毛機は、お客様の肌に直接触れて施術を行うものですので、安全性は最重要です。各メーカーが、安全面に考慮した製品開発を行っています。操作ミスが起こらないよう直感的に操作できるもの、安全性がしっかりと確保されているものを選びましょう。
もう一つ注意したいのが、マシンの保証期間と保証内容です。業務用脱毛機は長期的に使用していくため、メンテナンスが必須です。「購入後すぐに修理となってしまい、追加費用が大きな負担になった」なんてことにならないように、メーカーに事前に確認を行いましょう。
メーカーからではない業者やフリマサイトなどで、中古の業務用脱毛機も数多く販売されていますが、安全性や保証内容を考えたら、避けるのがベター。中古での購入はメーカーの保証外であることがほとんどです。
アフターサービスの手厚さ
高性能の業務用脱毛機を購入しても、サロン経営が必ずうまくいくという保証はありません。
新規顧客の集客、リピーターの確保、顧客単価の向上、スタッフの採用計画など、サロンの経営を基盤に乗せるまで多くの問題を解決していく必要があります。ここで役に立ってくれるのが、メーカーが持つノウハウです。
美容機器メーカーの中には、サロン運営に関わる多くのセミナーやアフターサービスを行ってくれる企業があります。特に初めてサロンを開業する方や脱毛メニューを導入する方にとっては、心強い存在となるでしょう。
購入後のサポート内容も合わせて比較するのがおすすめです。
ランニングコスト
業務用脱毛機を購入する際、本体価格のみチェックするのはNG。業務用脱毛機を比較する際は、ランニングコストを必ず確認してください。
例えば、業務用脱毛機には必ず「光源ランプ」というものが搭載されています。
ショット(照射)するたびに、ランプは消耗され、使い切ると交換が必要になります。往復照射が必要なマシンであれば、通常と比べて倍消費されていく計算になります。
そのため、総ショット数とランプ交換費用でランニングコストは大きく差が出てきます。
ほかにも、電気代やメンテナンス費用、ハンドピース代もランニングコストに含まれます。業務用脱毛機の比較は本体価格だけではなくランニングコストも確認してください。
業務用脱毛器の主な脱毛方式
それでは次に、多くの脱毛サロンに導入されている3つの脱毛方式についてお話していきます。
- IPL方式
- SSC方式
- SHR方式
IPL方式
黒いメラニン色素に反応する光を肌に当てて、毛根の毛母細胞や毛乳頭に熱を発生させることで、発毛能力を弱らせていく方法です。
メラニンが濃いヒゲやVIOなど頑固な毛に効果を発揮しますが、肌への刺激が強くなるため冷却ジェルの活用が必須です。
また、上記の特徴から、産毛のように細い毛は効果を実感しにくいというデメリットがあります。そのため、全身脱毛の中でも、VIOやワキは効果をすぐ実感できるが、背中や手などは回数を重ねる必要があるなど、効果にムラを感じる恐れがあります。
加えて、毛周期の中でもメラニン色素が濃い「成長期」の毛に効果を発揮します。そのためIPL脱毛は、2〜3か月程度の期間を空けて、脱毛することが推奨されています。
SSC方式
抑毛効果のあるジェルを肌に塗布し、クリプトンライトという光を当てることで、肌に浸透させて体毛に働きかけます。
肌に働きかけるのではなく、ジェルの力で脱毛効果を狙うため、肌に優しいのが大きなメリットです。ただし、効果も穏やかに感じることが多いです。
IPL脱毛と同様に成長期の毛に働きかけるため、毛周期に合わせて脱毛サロンへ通う必要があります。
SHR方式
熱を肌に蓄積していき、バルジ領域(ムダ毛が映えるように司令を出す部分)と毛包(毛根を包み込んでいる皮膚組織)全体に働きかける「SHR方式」。IPLと比べて低い温度の熱を発生させ、ダメージを与えていく方法のため、肌への負担が少ないのが特徴です。
また、これから生えてくるムダ毛に影響を与えるので、毛周期を気にすること無く脱毛施術が可能です。
ただし、連射を行うと徐々に出力が下がってしまうのが弱点。ムラ無く熱が入るように往復照射など、何度か重ねて照射する必要があります。施術スピードが遅くなるだけではなく、ショット数も消費してしまうため、ランニングコストが高くなりやすいです。
最新の脱毛方式とは
業務用脱毛機の耐久年数は、およそ5年ほど。メンテナンスをしっかり行っていれば、5年以上使い続けることは可能です。
肌に与える刺激を抑え、肌質や毛質に影響されにくい蓄熱式脱毛「SHR方式」は、連射を行うと出力が下がるのが最大の弱点です。
この弱点を克服する、独自の脱毛方法や最新の脱毛方法を活用したマシンが数多く登場しています。
ここでは、最新の脱毛方式について詳しくお話していきましょう。
- THR方式
- NEO方式
- HIPL方式
- S-IPL方式
THR方式
株式会社NBSが提供する「CLEAR/SP」「CLEAR/SP-ef」は、独自で開発した「THR脱毛」を搭載した業務用脱毛機です。
産毛はもちろん、男性のヒゲや子どもの肌にもしっかりとアプローチしてくれる3つのモードを搭載し、あらゆるお客様に対応可能です。
連射しても出力が落ちないため往復照射する必要がありません。これにより、施術時間の短縮やランニングコストの削減を実現しました。
SHR脱毛同様に蓄熱式脱毛のため、肌への刺激が少なく敏感肌の方にも安心して使用していただけます。さらに、最低照射面温度-15.6℃の冷却機能を搭載しております。冷却性能が高いため、痛みのもとになる熱を感じにくく、施術によるお客様にかかるストレスを軽減します。
NEO方式
SHR脱毛とIPL脱毛をタッチパネルによって、使い分けることができるのが「NEO方式」。それぞれの強みを活かし、肌質や毛質を問わず脱毛を行うことが可能です。
光フォト機能を搭載しており、脱毛だけではなく、シミ・くすみ、シワなどの美容効果へ期待できるのも嬉しいポイントでしょう。
HIPL方式
最大3000Wの高出力が魅力のHIPL脱毛。
SHR脱毛のスピード感はそのままなのに、高出力で安定しているため、施術1回目から脱毛効果を実感できます。また、IPLの波長の長さを活用し、美容効果も期待できます。
S-IPL方式
太く濃い毛に効果を発揮するIPL方式と施術スピードの早いSHR脱毛のメリットはそのままに施術を可能にしたのが「S-IPL脱毛」です。
出力を落とすこと無く連射が可能なので、施術時間の短縮や回転率のアップが見込めます。
業務用脱毛機は最新マシンがおすすめ
業務用脱毛機を選ぶポイントや最新の脱毛方法についてご紹介いたしました。美容機器メーカーだからこそお伝えしたい、脱毛機を選ぶポイントは以下の5つです。
- 脱毛方式
- 施術スピードなど機能性
- 安全性・補償内容
- アフターサービスの手厚さ
- ランニングコスト
業務用脱毛機は非常に高額ですが、売上げアップや集客に大きく携わる部分です。脱毛技術は日々進化しているため、「人気だから」「使ったことがあるから」という理由で選ぶのではなく最新のマシンも検討するのがおすすめです。
最新脱毛方式を導入したマシンは、口コミが少ないのが難点です。各メーカーの公式サイトで掲載されている導入事例を参考にしたり、デモ体験を行ったりするようにしましょう。