美容系サロンで行われる脱毛には様々な種類がありますが、中でもSSC脱毛は、肌への負担を抑えられる施術として注目を集めています。
今回のコラムでは、大手サロンでも広く導入されているSSC脱毛の仕組みについて詳しく解説するとともに、気になるメリットやデメリットをご紹介していきます。IPL脱毛やSHR脱毛との違いについても詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
SSC脱毛の特徴
SSC脱毛は「スムース・スキン・コントロール」の略称であり、滑らかな肌をコントロールするという意味を持ちます。イタリアの世界的医療メーカーであるDEKA社によって、日本人の肌質に合うよう特別に開発された脱毛方式です。
ビーンズジェルと呼ばれる抑毛効果のあるジェルを肌に塗ってから、脱毛機でクリプトンライトという光を照射することで脱毛します。ジェルと光の相乗効果によって、少ない刺激でも効果が期待できることが最大の特徴です。
SSC脱毛の施術の流れ
SSC脱毛の施術は、以下のような流れで行われます。
- 肌表面のムダ毛を処理する
- 施術する箇所にビーンズジェルを塗布する
- ジェルの上から脱毛機でクリプトンライトを照射する
- 保湿ケアをする
施術前に剃り残したムダ毛を処理する、施術後に保湿ケアをするという基本的な流れは、IPL脱毛やSHR脱毛と共通していることがわかります。
SSC脱毛の効果が出る仕組みとは
SSC脱毛の仕組みについてご説明する前に、施術時に使われるジェルについてご紹介します。脱毛機を当てる前に施術箇所に塗るビーンズジェルには、以下のような成分が凝縮して含まれています。
- 抑毛成分
- 鎮静成分
- 保湿成分
- 皮膚を軟化させる成分
また、サリチル酸、尿素、大豆イソフラボン、セイヨウシロヤナギエキスなどを含んだフィリニーブという成分が配合されています。
フィリニーブは毛を生やす毛母細胞にアプローチして抑毛効果を発揮してくれるため、SSC脱毛において重要な鍵を握る物質だと言えるでしょう。
ビーンズジェルを塗布した箇所に照射するクリプトンライトは、ビーンズジェルにのみ反応する特殊な光です。クリプトンライトを当てると、ジェルに含まれるトレジャービーンズと呼ばれる粒が弾けて、有効成分であるフィリニーブが毛穴から浸透していきます。
このようにしてフィリニーブが毛母細胞に働きかけ、ムダ毛が生えにくくなるのです。
SSC脱毛のメリット
様々な脱毛方式がある中で、SSC脱毛を選ぶことのメリットをご紹介していきます。
- 刺激を感じにくい
- 肌への負担が少ない
- 細い毛や産毛に高い効果が期待できる
- 1回の施術時間が短い
- 美肌効果が得られる
刺激を感じにくい
毛根に直接ダメージを与えるIPL脱毛やクリニックで行われる刺激の強いレーザー脱毛では、ゴムで弾かれたような刺激を感じる方も少なくありません。
施術時の刺激が苦手な方に対しては脱毛機の出力を下げて対応することが多く、場合によっては思うような効果が得られないケースもあるようです。
一方、SSC脱毛ではジェルにだけ反応する光を照射するため、施術中はじんわりと温かさを感じる程度の刺激しか感じられないことがほとんどです。弱い出力で照射しても、ジェルと光の相互作用で十分な効果が期待できます。
肌への負担が少ない
ジェルの上から脱毛機を当てるSSC脱毛では、光が直接肌に当たらないため、肌の構造や細胞への負担を最小限に抑えることができます。そのため、比較的肌が弱い人でも施術を受けることが可能です。
施術後に肌が少し赤くなってしまうこともあるようですが、一時的なものであることがほとんどであり、あまり心配する必要はありません。
また、脱毛機から照射されるクリプトンライトの役割は、あくまでもジェルが毛穴から浸透していくのを助けることです。そのため、高い出力や温度で照射しなくても十分な効果が期待できます。
熱による肌トラブルのリスクを抑えられる点も、SSC脱毛の大きなメリットであると言えるでしょう。
細い毛や産毛にも高い効果が期待できる
毛の黒いメラニン色素に反応して脱毛するIPL脱毛などでは、メラニン色素が少ない産毛や細い毛、金髪や白髪にはあまり効果が期待できないことが多いです。
しかし、ジェルに含まれるフィリニーブの成分によって脱毛するSSC脱毛は、施術の効果がメラニン色素の量に依存しません。産毛や細い毛についても、しっかりと再生能力を低下させることができます。
1回の施術時間が短い
SSC脱毛ではジェルの上から脱毛機を当てるため、肌の上を滑らせるようにして機器を動かすことができます。1回の施術時間を短縮できることも魅力の1つであり、気軽に脱毛の施術を受けたいという方に向いている脱毛方式だと考えられるでしょう。
また、短い時間で施術できるSSC脱毛を専門に行うサロンでは、他の脱毛方式を採用しているサロンよりも回転率が高いと考えられるため、予約が取りやすい傾向にあります。
SSC脱毛では成長期の毛のみに作用するため、毛周期に合わせて1〜3ヶ月の間隔を空けて通わなければなりません。そのため、継続してサロンに通いやすくなることも大きなメリットであると言えます。
美肌効果が得られる
ビーンズジェルに含まれるフィリニーブには、抑毛成分の他に、美肌効果のある植物由来の成分や保湿成分が含まれています。そのため、施術を通して脱毛だけでなく美肌効果も期待できます。
ワキやひざの黒ずみを解消するなど、ムダ毛以外の肌の悩みを一緒に解決していくことも可能です。
SSC脱毛のデメリット
少ない負担で脱毛できるSSC脱毛ですが、以下のようなデメリットがあります。
- 即効性は期待できない
- 肌に塗るジェルが冷たい
- 日焼けした肌には施術できない
即効性は期待できない
SSC脱毛に限らず、サロンで行う脱毛は医療脱毛と比べると刺激が弱いため、即効性に欠けるというデメリットがあります。1回の施術で目に見える効果が現れるといったことは考えにくいでしょう。
ただし、回数を重ねると、ムダ毛が徐々に細く生えにくくなっていくことが期待できます。個人差はありますが、約4〜6回目から少しずつ効果を実感でき、約10〜12回目でムダ毛がそれほど気にならなくなると言われています。
肌がツルツルになり、自己処理が不要になるまで脱毛サロンに通おうと思うと、1年半〜3年の期間が必要です。継続して通うことを前提に施術を受けることをおすすめします。
肌に塗るジェルが冷たい
SSC脱毛で肌に直接塗るビーンズジェル。人によっては、冷たいジェルを肌に塗ることが負担に感じられる場合があるようです。
特に、全身脱毛のように1度に広い範囲の施術を受ける場合は、施術中に身体が冷えてしまう可能性があります。寒い季節は特に、施術時の身体の冷えを負担に感じる方もいるでしょう。
そういった場合は遠慮なくスタッフに伝え、必要に応じて施術部位以外に毛布をかけてもらったり、空調の温度を上げてもらったりしてもいいかもしれません。
日焼けした肌には施術できない
肌への負担が少ないSSC脱毛ですが、日焼けした肌のような色が濃い部位に施術をすると、肌トラブルを引き起こす可能性があります。そのため、激しく日焼けしている方の場合、カウンセリングの段階で施術を断られてしまうこともあるようです。
また、ほくろや色素沈着、傷跡などの箇所にも施術することができません。小さなシールやテープを貼って隠してから施術することが一般的です。
IPL脱毛・SHR脱毛との違いとは
SSC脱毛と同じ光脱毛である、IPL脱毛やSHR脱毛との違いについてご紹介していきます。
IPL脱毛
SSC脱毛の場合、脱毛機の光はジェルの浸透を助け、間接的に毛根へアプローチします。一方、「インテンス・パルス・ライト」の略称であるIPL脱毛では、毛の黒いメラニン色素に反応するキセノンライトを照射し、毛根に直接熱エネルギーを与えて脱毛します。
メラニン色素の多いヒゲやワキ、VIOなどの毛に対して特に高い効果を発揮してくれるため、毛の濃い部分をしっかり脱毛してツルツルにしたいという方におすすめの方法です。
SHR脱毛
SHR脱毛は「スーパー・ヘア・リムーバル」の略称で、蓄熱式脱毛の1種です。毛根ではなく、毛を生やす細胞に指示を出すバルジ領域をターゲットとしている点でSSC脱毛とは異なります。
- 毛周期に関係なく脱毛できる
- 弱い光を繰り返し照射して蓄熱する
- 日焼けした肌にも脱毛できる
上記のような特徴を持っているため、頻繁に通ってできる限り早く脱毛を完了させたい方や、日焼けしている方に適していると言えるでしょう。
肌への負担を抑えて脱毛したい方におすすめ
SSC脱毛の特徴や効果が出る仕組みについてご紹介してきました。肌に直接光を照射しないSSC脱毛は、敏感肌の方や美肌効果を期待する方におすすめの脱毛方法です。
すぐに脱毛効果を得たい、日焼けした肌にも施術したいといった場合には、SHR脱毛や医療脱毛などの方法を選択する方がベターなこともあります。
自分の毛質や肌質、どのような効果を期待しているかによって最適な施術方法は異なるため、それぞれの特徴を比較したうえで施術方針を決定してみてください。