新規に脱毛サロンの開業を考える方の中で、脱毛サロンの経営に興味を持たれる方が気になることの一つが「利益率」ではないでしょうか。
ビジネスを成功させるためには、利益率と回転率のバランスが重要です。
今回は、脱毛サロンの経営における利益率やビジネスの仕組みについて解説します。
脱毛サロンの平均的な利益率
そもそも脱毛サロン経営はどのくらいの利益率のビジネスなのでしょうか。
一般的なサービス業の利益率は平均6%程度と言われていますが、脱毛サロンの平均利益率は15%程度です。
売上から経費を差し引いた分が利益となりますが、経費の中で大きな割合を占めるのが人件費です。個人事業の小規模サロンの場合は、人件費を抑えるためにオーナーのみで運営を行う方も少なくありません。売上が伸びなかった時にスタッフに給料を支払えなくなるというリスクを回避できるというメリットもあります。
脱毛サロン経営の初期費用
脱毛サロンの経営を始める際には、まず初期費用が発生します。開業後に売上を伸ばせても、しばらくはこの初期費用の分のマイナスがあります。
初期費用としてかかるものは、主に以下のようなものがあります。
- 脱毛機器購入費
- 物件取得費
- 内装・外装費用
- 人件費
- 広告費(集客)
- 販促物費用(Webサイト、ショップカード、パンフレットなど)
- 設備・備品の費用(ベッドやシーツ、椅子など)
- 消耗品代(使い捨てショーツ、ジェルなど)
これらの費用を全て合わせると少なくとも300万円ほどは必要になります。
脱毛サロン経営のランニングコスト
脱毛サロンを経営する上で最低限必要なランニングコストと、それらの売上に対する比率の理想は以下の通りです。
- 家賃(約10%)
- 水道光熱費(約3%)
- 消耗品費(約10%)
- 広告宣伝費(約5%)
また、上記のコストは一人で営業する場合のものですが、スタッフを雇う場合はさらに人件費がプラスされて利益率が低くなります。
脱毛サロン経営にかかる費用の節約術
脱毛サロンの経営を成功させるためには、初期費用や固定費を抑えることが必須ですが、そのための節約術をご紹介します。
代表的なものは以下の3つです。
- リースを活用する
- 消耗品費を見直す
- 光熱費を見直す
リースを活用する
脱毛サロンの経営にかかる費用の中でも、金額が大きいものの一つが脱毛機です。
業務用脱毛機は機種によって価格が大きく異なりますが、安いものでも100万円以上かかります。中古を利用するという選択肢もありますが、競合よりも優位に立つためには出来る限り新しくて優れた機種を導入することが望ましいです。
しかし、最新の優良機種の中には1台500万円近くするものもあり、売上が無い開業時に導入することはハードルが高いと言えます。
そこでおすすめなのがリースを利用することです。長期的に見ると購入する方が安いですが、リースはまとまった支出を抑えることができる上に、最新の機種を使えるという点が魅力です。
消耗品費を見直す
固定費の中で、消耗品は1回ごとの費用は大きくないものの、積み重なると非常に大きな差を生みます。
お客様の目につくもの、手に触れるものはこだわりたいという方もいますが、こだわり過ぎると固定費を圧迫します。納得ができる範囲でなるべく安いものにすると固定費を節約することができます。
消耗品自体は安くても、保管するケースや棚などにこだわって高く見せることもできます。
光熱費を見直す
光熱費も、営業している限りかかる費用であるため、極力抑えたいものです。また、光熱費に関しては品質の差などは生まれにくいため、どの会社を利用しても同じことがほとんどです。
しかし、会社によって料金は異なるため、利用するプランに合わせて最も安い会社に変更することも固定費の節約に繋がります。電気やガスを同じ会社で契約することで割引を受けられることもあります。
脱毛サロン開業で失敗するケース
脱毛サロンの開業に挑戦される方は多く、次々と新店舗がオープンしていますが、その一方で廃業に追い込まれる脱毛サロンが多いことも事実です。
脱毛サロン開業で失敗するケースとして代表的なものは以下の通りです。
- 集客失敗
- お金の管理の失敗
- 価格設定の失敗
集客失敗
当然ながらお客様が来なければ売上が上がることはなく、赤字になっていきます。的確なターゲット設定やそれに合わせたブランディングや立地で開業しなければ、集客に失敗してしまいます。
開業前にどのような戦略で勝負するのかをじっくり考えてから実行に移すことが大切です。
お金の管理の失敗
経営を成功させるためには、細かなお金の管理が必須です。特に開業時などは大きなお金が動くことが多いですが、その一つひとつをしっかり管理し、細かい支出にも注目する必要があります。
その他にも、初期費用をかけすぎていたり、人件費を使いすぎていたりする場合も、経営を圧迫します。
また、最初から集客が上手くいくとは限らないので、ある程度まとまったお金が無いと軌道に乗る前に破綻してしまいます。
価格設定の失敗
価格設定も脱毛サロンの経営に大きな影響を与えます。料金が高すぎると客足が遠のくことに繋がり、逆に安すぎるとどんなに多くのお客様がきてもなかなか利益が上がらない状況に陥ります。
競合やターゲットをしっかり調査した上で適切な価格設定をすることが重要です。
このように、脱毛サロンを一から開業する場合はリスクも大きいため、フランチャイズという選択肢もあります。
フランチャイズという選択肢
フランチャイズのメリット
- 経営初心者でもサポートがあるので安心
- 知名度による集客効果を期待できる
- 融資を受けやすい
- 広告・宣伝効果
経営初心者でもサポートがあるので安心
これまで多くの店舗の運営に関わってきたノウハウを活かした経営サポートを受けられるため、経営初心者や美容業界未経験者の方でも心強いです。
また、開業のための備品を割引価格で購入できる場合もあり、多額の資金が必要になる開業時にはありがたいポイントです。
知名度による集客効果を期待できる
脱毛サロン開業時の悩みの一つが集客です。知名度や繋がりが無い状態からのスタートとなる場合、集客に苦しむオーナーが多いです。
フランチャイズの場合は、既に知名度がある名前を借りる形になるため、問い合わせや来店を集めやすい傾向にあります。
融資を受けやすい
開業時にはまとまった資金が必要になりますが、すぐに用意できないという方もいます。そこで銀行からの融資が選択肢に入りますが、金額や信用によっては融資の審査が通らないことがあります。
フランチャイズであれば、親会社のブランドや信用を借りることができるので、融資の審査も比較的通りやすくなります。
広告・宣伝効果
集客のために広告や宣伝の施策を考えることがありますが、それには労力も資金も必要になります。
特に広告を出すのには多くの資金が必要ですが、フランチャイズの場合は親会社が広告を出していることが多いため、そういった手間や費用を節約することができます。
フランチャイズのデメリット
- 加盟料やロイヤリティが発生する
- 制約が多い
- マイナスの影響もある
- 2店目以降の出店を制限される場合がある
加盟料やロイヤリティが発生する
フランチャイズで営業するためには、親会社に加盟料やロイヤリティを支払わなければいけません。月額10万円〜30万円ほど支払う金額固定制と、売上金額に合わせて売上の3〜10%程度支払うものがあります。
いずれにしても、売上から親会社に支払う分が引かれることはデメリットと言えます。
制約が多い
フランチャイズの運営においては、様々な制約のもとで経営を行うことになります。
基本的には親会社の方針に従わなければならないので、個人経営の場合と比べると自由度という点では制限されます。
マイナスの影響もある
ブランドの信頼度や知名度によるメリットについては先述の通りですが、その逆もあることを忘れてはいけません。他店舗でのトラブルや不祥事によってブランドのイメージが悪くなるとその影響は避けられません。
全く関係の無い他の都道府県でのトラブルであっても、全国的に有名なチェーンの場合はニュースになり、その影響を受ける可能性があります。
2店目以降の出店を制限される場合がある
競業避止義務やテリトリー制など、親会社のブランド力やノウハウ流出を防ぐためのルールは、その後の店舗出店や事業拡大を考えるオーナーさんにとっては苦しい契約条件と言えます。
競業避止義務
- 競合企業への転職や、競合企業の設立など、競業となる行為をしてはいけない
テリトリー制
- フランチャイズビジネスにおいて、親会社が営業活動を許可する地域を指定する
2店舗目以降の出店が思うように進められない可能性があることはデメリットの一つと言えます。
利益率を上げられる脱毛サロン経営を!
今回は脱毛サロンの利益率やコストについて解説しました。脱毛サロンの経営を成功させるためには、様々なコストを節約して利益率を上げることが大切であるとご理解いただけたのではないでしょうか。
フランチャイズを活用することも脱毛サロンの経営を成功させるための選択肢の一つになります。経営の計画に合った方法で利益率を上げられる脱毛サロンの経営を行っていきましょう。