多くの脱毛サロンではインセンティブや歩合制度を導入しています。
実績に応じて歩合給を支給することは、スタッフのモチベーションを高め、サロン全体の売上をアップする上でも有効だと言えるでしょう。
ただ、自身のサロンで同様のシステムを導入するには、様々な点に注意する必要があります。
今回のコラムでインセンティブや歩合制を導入することのメリットやデメリット、また歩合給の相場などを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
インセンティブと歩合制は違う?
脱毛サロンの求人情報を見てみると、インセンティブや歩合制という表記をよく見かけます。
「インセンティブと歩合制は違うのか」という疑問を抱く人は多いですが、基本的には同じ意味と捉えて問題ありません。
ただ、脱毛サロンによって給与の額はもちろん、システムも異なります。
よくある例の一つは、あらかじめ定められた目標・ノルマを達成することで、一律の給与が支給されるパターンです。
一方で、売上1件1件につき、その売上金額の何パーセントかが支給されるパターンもあります。
スタッフにノルマを課すことは違法?
スタッフにノルマを課すことは違法ではありません。
インセンティブや歩合制に関係なく、ノルマを定めることは脱毛サロンの売上を伸ばしていくためにも有効です。
ただ、ノルマを達成できなかった時にペナルティを与えることは違法です。
- 違約金の支払いを強いる
- 損害賠償を請求する
このような行為は労働基準法に違反することになるので、誤っても実施しないよう、よく理解しておきましょう。
インセンティブ・歩合制のメリット・デメリット
給与形態にインセンティブや歩合制を導入すると、具体的にどのような効果があるのか解説していきます。
メリットだけでなくデメリットもあるので、よく理解して慎重に検討しましょう。
インセンティブ・歩合制のメリット
スタッフの自主性を高める
歩合給は支給される金額と実績が直結するため、スタッフは自主的に行動を起こし、売上に貢献するようになります。
モチベーションが高まることによって接客の質が上がるだけでなく、自ら学び、成長するようになることが大きなメリットです。
サロンの売上がアップする
接客の質が上がり、スタッフ自身も積極的に成長することは、サロンの売上アップにも繋がります。
歩合給によって人件費がかさむことを差し引いても、大きなメリットだと言えるでしょう。
ただ、歩合制を導入する際は売上に対して発生する歩合給と、サロンの利益を緻密に計算する必要があります。
スタッフに相応の歩合給を還元しつつ、しっかりとサロンにも利益が残るラインを見極めましょう。
意欲の高いスタッフが集まりやすい
インセンティブや歩合制を導入すると、求人情報に記載する給与形態の欄にもその旨を記載することになります。
新人でも能力次第で給与が上がるということをアピールすることで、意欲の高いスタッフが集まりやすくなります。
インセンティブ・歩合制のデメリット
スタッフの負担が大きい
インセンティブや歩合制は売上の向上に繋がりやすい一方で、スタッフには大きな負担がかかります。
特に思うように実績を上げられないスタッフの場合、理想とのギャップに苦しめられるほか、他のスタッフに劣等感を抱いてしまう恐れがあります。
対策としては、脱毛サロン全体で売上を追求していく意識を持つことです。
個人ではなく、あくまでチームとして活動する意識を持つことで、特定のスタッフにストレスが集中することを回避し、心理的な安全性を確保できるようになります。
スタッフの管理に注意する必要がある
脱毛業界も例外ではありませんが、インセンティブや歩合制を導入する職場では、働き方にはある程度の裁量が認められる場合が多いです。
そのため、中には実績を上げるために長時間働こうとしたり、無理をしてしまうスタッフが現れる可能性もあります。
労働基準法にも違反してしまう恐れがあるため、スタッフ一人ひとりの働き方をよく管理し、健全な労働環境を形成することを意識しましょう。
撤廃時にスタッフのモチベーションが下がる
インセンティブはスタッフのモチベーションを高め、サロン全体の売上のアップに繋がりますが、その分リスクもあります。
例えば、歩合制度が撤廃、あるいは内容が変更された時、それまで歩合給を得るために頑張っていたスタッフが目的を失い、モチベーションが下がってしまう恐れがあります。
ただ、本来報酬を最大の目的として働くのはモチベーションに波が起きやすく、望ましい状態とは言えません。
あくまで根本的な目標は自分自身やサロンの成長であり、歩合給はそれに付随する特典という認識を持つことが、会社としてあるべき姿だと言えるでしょう。
完全歩合制は可能?
インセンティブや歩合制を導入する際、基本的には「固定給+歩合給」という形で、追加の給与を支給することになります。
労働基準法により、固定給がなく、100%歩合給の完全歩合制を正社員に適用することはできない決まりになっています。
ただ、業務委託の契約を結んでいる場合は例外です。
業務委託は外部の個人・団体に依頼する契約であり、雇用関係には該当しません。
実際に業務委託として求人を出している脱毛サロンは多く、売上の何割かがダイレクトに支払われる仕組みになっています。
脱毛サロンで導入されているインセンティブ
脱毛サロンで実際に導入されているインセンティブや歩合制が、何を基準に決められているのか解説していきます。
契約数・金額
脱毛サロンのインセンティブ・歩合制の主な基準になっているのが、長期コースや回数制プランの契約数、または金額です。
コースは平均的な売上単価が大きいため、大手のチェーンサロンなどでは特に重視される傾向にあります。
ただ、単価が高い分、契約を結ぶにはお客様に十分信頼してもらう必要があります。
特に新規のお客様に契約してもらうことは困難であり、高い接客能力が求められるでしょう。
物販販売数・金額
コースの契約だけでなく、物販の販売も脱毛サロンにとっては大きな収入源だと言えます。
中には全体の売上の3割程度を物販が占めているケースもあるため、物販をどれだけ販売するかによって、売上は大きく増減すると言って過言ではないでしょう。
- コスメ
- 化粧品
- 健康食品
- 家庭用脱毛器
上記のように、脱毛サロンでは様々なカテゴリーの商品を物販として取り扱うことができます。
ただ、物販を強要してしまうと執拗な営業だと思われてしまうため、コースの契約と同様に、ある程度の信頼関係が築けていないと、購入してもらうことは難しいでしょう。
インセンティブ・歩合制の相場は?
実際にインセンティブ・歩合制を導入している脱毛サロンでは、スタッフに支給する給与のうち、およそ2割から3割程度を歩合給として支給している場合が多いです。
例えば月収が25万円の場合、およそ5万〜7.5万円が歩合給であり、残りは固定給という比率が適切だと言えるでしょう。
また、業務委託として完全歩合制を適用する場合には、そのスタッフの売上の3割を支給することが平均的な相場です。
調節を誤ると人件費が膨れ上がってしまうため、バランスを見極めながらシステムを構築しましょう。
インセンティブ・歩合制でサロンの売上をアップ
解説した通り、インセンティブや歩合制を導入することには少なからずデメリットもあるため、導入する際は慎重に検討し、緻密なシステムを構築する必要があります。
自身のサロンの来店数や顧客単価などを基準に、まずは本当に導入する価値があるのか検討してみましょう。
ただ、効果的に活用することができれば、サロン全体の売上を大きく上げられる可能性があります。
他の脱毛サロンの求人情報をチェックしてみることも有効なので、参考にしてみると良いでしょう。
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