ビジネス 2024年11月20日

脱毛サロンを個人で経営するには?事業を始める手順やポイントを紹介

脱毛サロンの個人経営は、自由度が高く少額の投資で始められることから、美容業界で独立を目指す方に人気の選択肢です。しかし、事業を成功させるためには、しっかりと計画を立てて正しい手順で進めていくことが欠かせません。

本記事では、脱毛サロンを個人で開業するためのステップや、個人経営ならではのメリットをご紹介します。事業を軌道に乗せるために重要なポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

脱毛サロンの個人経営に必要な備品や費用

脱毛サロンの個人経営に必要な備品には、以下のようなものがあります。

  • 業務用脱毛機
  • 家具・家電製品
  • 消耗品
  • 経営に必要なシステム・ソフト
  • 広告宣伝

業務用脱毛機

脱毛ビジネスを行う上で欠かせない業務用脱毛機。その価格は約100〜500万円とかなり幅があります。

業務用脱毛機の性能は施術の質や顧客満足度に直接影響するポイントの1つです。もちろん費やせる費用とのバランスを考慮する必要はありますが、できる限り高スペックの機器を導入することが推奨されます。

スタッフを雇って複数人の施術を同時に行うとなると複数の業務用脱毛機を準備しなければならず、全て新規で購入すると膨大な費用が発生してしまいます。そういった場合は初期費用を抑えるため、レンタルやリースを利用するのも一案です。

業務用脱毛機のリースやレンタルを利用するメリットとして、将来的に廃業する場合に機器が無駄にならずに済む点が挙げられます。ただし、長期間の使用を想定するのであれば、購入した方が総合的な費用は安くなるケースが多いです。

家具・家電製品

脱毛サロンを開業する際には、様々な家具や家電製品を新たに用意しなければなりません。具体的には、施術用のベッドやシーツ、パソコン、プリンター、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、ドレッサー、照明器具、観葉植物、雑誌、その他のインテリアなどが挙げられます。

こうした設備は安価なものを選ぶことで費用を抑えられる反面、あまりにも質が低いとお客様に与える印象が損なわれ、サロン全体への評価にも影響を与えかねません。お客様が直接触れたり目にしたりする備品は特に、質の高いものを選ぶべきでしょう

開業資金を抑えるためにも無駄なコストを削減することは大切です。しかし、新たに導入する設備の質を妥協しすぎてしまうと、サロンのイメージ低下に繋がりかねません。顧客満足度への影響が大きい設備に対しては、適切な投資を行うことが望ましいです。

消耗品

脱毛サロンでは以下のような消耗品を使用します。

  • 作業着・ローブ・タオル
  • シェーバー・カミソリ
  • 使い捨て下着
  • 脱毛ジェル
  • ゴム手袋
  • ゴーグル
  • メイク落とし・スキンケア用品

サロン運営に欠かせないものばかりですが、一つ一つの単価は高くなく、初期費用を占める割合はそれほど大きくありません。

ただし、定期的な補充や買い替えに伴って発生するランニングコストは月々の予算管理にも大きく影響するため、事業を軌道に乗せる上で決して無視できないでしょう。

お客様に質の高い施術を提供し、かつ経営を安定させるため、質が高くかつリーズナブルな価格の商品を選択できるのが望ましいです。

経営に必要なシステム・ソフト

脱毛サロンを運営する際には、売上や予約、顧客情報などを効率良く管理することが欠かせません。かつては紙ベースでそういった情報をまとめるサロンも多くありましたが、近年では専用のシステムやソフトを使っての管理が主流となっています

美容サロン向けの管理システムやソフトを導入しようと思うと、少なくない初期費用が発生します。管理システムに関しては、顧客満足度というより店舗側の業務効率化に大きく影響するものであるため、資金繰りに余裕があるかどうかを踏まえて検討するのが良いでしょう。

広告宣伝

脱毛サロンで売上を獲得していく上で重要な要素の1つとして、広告宣伝が挙げられます。個人経営のサロンでは、知名度がゼロからのスタートとなることがほとんどであるため、集客のためには外部への宣伝活動が欠かせません。

脱毛サロンの広告宣伝に役立つ媒体としては、主に以下が挙げられます。

  • ポータルサイト
  • Web広告
  • SNS
  • ホームページ
  • チラシ

比較的高額な費用が発生するWeb広告の出稿やポータルサイトといった手段の方が即効性が高く、直近の来店に繋がりやすいです。ただ、SNSやホームページを自ら作成し、ほとんど費用をかけることなく集客に成功しているオーナーも多数います。

まずは低コストで始められる手法に取り組み、その後、効果を見ながら有料広告に投資する形で進めるのが効率的でしょう。

脱毛サロンを個人で経営するメリット

脱毛サロンを個人で経営するメリットについて解説していきます。

  • 経営戦略を自由に決められる
  • 売上をすべて自分の収入にできる

経営戦略を自由に決められる

個人で脱毛サロンを開業する大きな魅力として、自由度が高い点が挙げられます。内装のレイアウトやサロン名、コンセプト、導入する脱毛機の種類や取引業者などを自由に決めることができます。

物件選びも自分の裁量で進められるため、マンションの一室や自宅兼サロンとして小規模で始めることも可能。開業資金を抑えやすいです。

従って、脱毛サロンの個人経営は理想のサロン像を明確にイメージできており、自身の力で店舗を成長させたいと考える方に適しています

売上をすべて自分の収入にできる

脱毛サロンはフランチャイズでも開業することができますが、毎月の収益からロイヤリティを支払わなければなりません

一方、個人経営であれば店舗の売上から経費を引いた収益を全て自分の報酬として受け取ることが可能です。得られた収益を今後の投資に使うなど、自由度の高いお金の使い方を実現できます。

ただし、裁量が大きい一方で、経営がうまくいかなくなっても自己責任であるという点には留意しておくべきでしょう。

脱毛サロンを個人で経営するデメリット

脱毛サロンを個人で経営するデメリットには以下のようなものがあります。

  • 開業準備や資金調達が大変である
  • 経営に関する専門知識が必要である

ここではフランチャイズでの開業と比較しながら解説していきます。

開業準備や資金調達が大変である

個人経営で脱毛サロンを開業する際には初期費用が比較的少額で済むとお伝えしてきましたが、決して手軽に用意できる金額ではありません。

店舗の場所や規模などによって異なりますが、個人で脱毛サロンを開業する際には約200万円の資金が必要とされています。さらに、経営が軌道に乗るまでの運転資金もあらかじめ確保しておかなければなりません。

数百万円におよぶ開業資金の調達に難航し、脱毛サロンの開業を断念する方も多いです。

また、脱毛サロンを開業する際には、以下のような様々なポイントについて検討を重ね、複数の選択肢を見極めた上で最適な決断をする必要があります。

  • 物件選び
  • 内装業者の選定
  • 導入する脱毛機の種類・台数
  • 導入する施術用ベッドの種類・台数

個人経営の場合はこうした全ての決定を自分で行う必要があるため、準備段階での負担は大きくなりやすいです。スムーズに事業を始めるために、計画的な資金準備とスケジュール管理が求められます。

経営に関する専門知識が必要である

フランチャイズサロンは大手の看板を掲げることで知名度を担保でき、集客しやすい点が大きな強みだと言えます。一方、個人経営のサロンは知名度ゼロからのスタートとなることがほとんどであり、一から集客を行わなければなりません

来店者を増やして経営を安定化させるためには、ターゲット層へのアピールや効果的な広告戦略の習得が欠かせません。集客や経営に必要なノウハウを自分で積極的に学び、実践する姿勢が求められます。知識と経験の積み重ねが、安定した集客と収入の鍵となるでしょう。

脱毛サロンを個人で経営する際の開業手順

脱毛サロンを個人で経営する際の開業手順は以下の通りです。

  • 開業資金を確保する
  • コンセプトを決定する
  • 物件を選ぶ
  • 集客方法を検討する
  • 備品や設備を用意する
  • スキルや資格を習得する
  • 手続きや届出を行う

開業資金を確保する

脱毛サロンを開業する際に最初に行うのは、開業資金と運転資金の確保です。自宅の一部を店舗として活用するか、物件を契約してサロンを構えるかによって、必要な金額は大きく変わってきます。まずは開業形態を決め、用意する金額を大まかに決定しましょう。

資金調達の方法には以下があります。

  • 家族や友人からの援助を受ける
  • 自らの貯金から捻出する
  • 銀行や日本政策金融公庫からの融資を受ける
  • 補助金や助成金を利用する

特に日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」は、無担保・保証人なしでの融資も受けられるため、検討に値します。ただし、自己資金がゼロでは融資が難しいこともあるため、開業を決意したら貯金も始めておくべきでしょう。

コンセプトを決定する

脱毛サロンにおけるコンセプトとは、誰のために、どのような方針で運営していくかを定める指針のことを指します。

コンセプトは経営の軸となり、サロン作りや運営方針に大きく影響します。店舗の内装やメニューのラインナップなどを決める際に判断に迷っても、定めておいたコンセプトに沿って検討することで方針を一貫させられるでしょう。

他店との差別化ポイントを見出しやすく、顧客が求める独自の魅力を提供できるため、店舗の強みを効果的に打ち出すことも可能です。

物件を選ぶ

脱毛サロンを開業する際には、自宅での開業と賃貸物件を利用しての開業のどちらかを選択することになります。自宅で開業する際には、家主から営業許可を必ず得ましょう。無許可で営業を始めると、賃貸借契約違反になる可能性があります。

賃貸を利用する場合は、立地や競合の数、予算のバランスを考慮して物件を選びましょう。立地は集客力に直結するため、入念な商圏分析を行い、ターゲット層が多く住むエリアやアクセスの良い場所を選ぶことが大切です。

商圏とは、見込み客の居住地や行動範囲を指します。候補エリアにターゲットが住んでいるか、通いやすいかを調査した上で物件を決めることで、安定した集客が見込めます。

集客方法を検討する

脱毛サロンの集客はオンラインとオフラインの両軸で進めていくことが大切です。

オンラインではX(Twitter)やInstagramなどのSNS、Webサイト、ホットペッパーといった媒体が代表的。幅広い層にリーチでき、拡散性も高いため、効率的に集客が可能です。

一方、オフラインでは折り込みチラシやビラの配布、他店へのショップカード設置、地元の情報誌への広告掲載といった手段が考えられます。特に高齢層や地元住民へのアプローチに適した集客方法です。

ターゲット層との相性を見極め、オンラインとオフライン双方の特性を活かして効果的に集客を図りましょう。

備品や設備を用意する

備品と設備の用意も必須です。開業資金を抑えたい場合、脱毛機器をリースやレンタルで入手することを検討すると良いでしょう。リースは3〜7年の契約であることが一般的であり、レンタルよりも月々の支払いが安く抑えられる点が魅力です。

前述したように、脱毛サロンを運営する中では様々な消耗品が必要となります。お客様が直接触れる備品に関しては質にこだわり、予算を超えないよう必要最低限の機能を持つアイテムを選ぶのがおすすめです。

効率的な設備投資により、快適かつ質の高い施術空間を作りましょう。

スキルや資格を習得する

脱毛サロンで働いた経験がない場合、開業前に施術スキルを習得しておくことが欠かせません。「客として別の店舗を利用した経験を元に見よう見まねで対応すれば良い」と考え、事前のトレーニング無しで接客や施術に踏み切ることにはリスクが伴います。

お客様対応が未熟だとネガティブな口コミが広がり、集客に悪影響を及ぼしかねません。専門学校に通ったり、既存の脱毛サロンで経験を積んだりして施術、接客スキルを高めましょう

脱毛サロンを開業する際に必須となる資格はありませんが、民間資格を取得しておくと客観的に信頼性を高めることができます。確かな技術と資格を備え、信頼されるサロンを目指しましょう。

手続きや届出を行う

脱毛サロンの開業手続きには「開業届」の提出が必要ですが、飲食店と異なり営業許可証は不要で、開業届を最寄りの税務署に提出すれば問題ありません。開業届は国税庁のサイトからダウンロードできますので、事前に準備しておくとスムーズです。

なお、業務用脱毛機を使った施術ではお客様にケガや火傷を負わせてしまうリスクがあるため、賠償保険に加入しておくことをおすすめします。

代表的な賠償保険としては「サロン店舗賠償責任保険」や「リラクゼーション/エステ/光脱毛賠償責任保険」などが挙げられ、トラブル発生時に備えられます。必要な保険に加入し、安全で信頼されるサロン運営を目指しましょう。

脱毛サロンの個人で経営する際のポイント

ここでは、脱毛サロンの個人で経営する際のポイントについて紹介していきます。

  • 絶えず接客スキルの改善に努める
  • 資金繰りに余裕を持たせる
  • 業務用脱毛機選びで妥協しない

絶えず接客スキルの改善に努める

脱毛サロンを個人で経営する際、接客スキルはお客様の満足度を左右する重要な要素となります。特に美容や脱毛の分野では、顧客がリラックスでき、安心して施術を受けられる環境を作ることが大切です。

丁寧な言葉遣いや礼儀作法はもちろん、顧客のニーズに迅速に対応するためのコミュニケーション能力が求められます。カウンセリング時には悩みや希望を丁寧にヒアリングし、個々の肌の状態や要望に応じたアドバイスを提供することで、信頼感を高められるでしょう。

接客スキルは口コミの質や店舗の評判に大きく影響します。接客セミナーに参加したり、同業他社に出向いて接客術を学んだりして、日々改善に努めるべきです。

資金繰りに余裕を持たせる

脱毛サロンを開業する際には、以下のような費用が必要となります。

  • 物件の敷金・礼金・家賃
  • 業務用脱毛機の購入・レンタル費用
  • 店舗の内装費用
  • 備品・消耗品代
  • 広告宣伝費

加えて、サロンを開業したばかりの頃は集客が安定するとは限らないため、開業初期のランニングコストについても事前に用意しておくと安心です。資金が不足する場合は、助成金や融資の活用も検討しましょう。

業務用脱毛機選びで妥協しない

初期費用を抑えるために、高額な業務用脱毛機の費用を節約したいと考えるサロンオーナー様も多いでしょう。しかし、フリマサイトで販売されているような格安の機器や中古品を購入することは避けてください。

安価な機器の中には十分な脱毛効果が期待できなかったり、ランニングコストがかさんだりするマシンも少なくありません。中古品は保証期間が切れている、メンテナンスが不十分であるといった場合が多く、故障時に高額な修理費用が発生する可能性もあります。

信頼できるメーカーから、安全保障と定期メンテナンスのサービスが充実した機器を選ぶことが重要です。

脱毛サロンの個人経営では入念な準備が大切

個人で脱毛サロンを経営すると自由なスタイルで事業を進められる反面、計画的な準備と経営努力が求められます。サロンの立地選びや内装、脱毛機器の導入、そして集客のための広告戦略まで、開業に必要なステップを着実に踏んでいくことが成功の鍵です。

本記事を参考に、信頼されるサロン作りを目指して一歩ずつ進んでみてください。

この記事の執筆者

NBS

NBS編集部

株式会社NBSは創業以来、日本全国の約1,500店舗のエステサロンや美容室に脱毛機を導入し、約3,000店舗のサロンと商品取引を行ってきた美容総合メーカーです。特に脱毛機においては業界のリーディングカンパニーとして数多くの商品を開発してきました。本サイトでは、美容サロンに関するこれまでの豊富な知識と経験を活かし、サロンオーナーの皆様に役立つ情報発信を行ってまいります。

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