サービス業においてよく着目されるのが「客単価」ですが、実はそれと同じくらい大切なのが「時間単価」です。特にエステサロンのような形態のビジネスにおいては、1日に入れられる予約数が決まっているため、その中でどれだけ売上を最大化できるかが重要です。
ということで、今回のコラムでは脱毛サロンにおける時間単価について解説していきます。単価を上げる具体的な方法もお伝えしていくので、ぜひ最後までご覧ください。
サロン経営では客単価だけでなく時間単価も重要
サービス業においては「客単価が重要」と耳にすることがよくあります。確かに集客にかかるコストなどを考えると、1人のお客様により高いメニューを注文してもらった方がサロンの売上は上がります。
しかし、脱毛サロンの場合は少し異なります。
というのも、脱毛サロンの料金は基本的に脱毛する部位の広さや数によって料金が決まりますよね。つまり、施術時間と売上が比例するというのが脱毛サロンの特徴として挙げられます。
そのため、限られた営業時間、限られた人手で脱毛サロンの売上を伸ばしていくには、各脱毛メニューを迅速にこなし、時間単価を上げていくことが重要ということです。
脱毛サロンの平均時間単価はどれくらい?
参考程度に、脱毛サロンの平均時間単価はおよそ10,000〜15,000円程度です。中にはもっと高い脱毛サロン、あるいは低い脱毛サロンもありますが、現在はこの程度が相場になっています。
そのため、まずはご自身の脱毛サロンの時間単価がどれほどなのか計算し、この基準と照らし合わせてみてください。もし平均的な相場を下回っている場合、少なからず改善すべき点があると考えましょう。
脱毛サロンの時間単価を上げる方法
それでは時間単価を上げる具体的な方法をご紹介します。すぐに取り組めることもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
- スタッフのオペレーションを徹底する
- ムダ毛処理に協力してもらう
- 連射性能が高い業務用脱毛機を導入する
- 拭き取り不要の脱毛ジェルを使用する
- 遅刻時の対処を厳格にする
- 時短コースを作る
スタッフのオペレーションを徹底する
最初にやるべきことはスタッフのオペレーションを徹底するということです。
お客様が来店してから退店するまでの流れを細かくリストアップし、一つひとつの段階におけるスタッフの動きをマニュアル化します。そうすることで、お客様1人にかける時間を短縮し、時間単価も上がられるでしょう。
肝心の施術に関しても、脱毛機の取り扱いから照射の仕方まで、新人スタッフに関しては特に丁寧に指導してあげることが望ましいです。
ムダ毛処理に協力してもらう
「いざ施術を開始しようとしたら剃り残しがあって余計な時間がかかってしまった」という経験は誰もがあることでしょう。
ムダ毛が残ったままだと光を照射できないため、きれいに剃り直す必要がありますが、脱毛サロンにとっては大きなタイムロスです。
剃り残しの処理に別料金が発生する脱毛サロンも多いですが、とにかくお客様に剃り残しがないよう、丁寧にムダ毛を処理してきてもらうよう協力してもらいましょう。
連射性能が高い業務用脱毛機を導入する
いまや国内だけでも何種類もの業務用脱毛機が販売されていますが、その性能は様々。安くて高性能な機種もあれば、そうでない機種もあります。
業務用脱毛機を選ぶ基準はいくつかありますが、そのうちの1つが連射性能です。「1秒間に◯発照射可能」といった文言を掲載しているメーカーも多いですが、当然連射性能が高ければ施術も早く終わります。
ただし、連射性能が高すぎると、光の出力が長続きしなくなる傾向があるという点には注意が必要です。十分な効果を発揮するには2度打ちや往復照射が必須となり、結局タイムロスになってしまう恐れがあります。
拭き取り不要の脱毛ジェルを使用する
サロンによって異なりますが、脱毛時には基本的に専用のジェルを使用しますよね。
安全に施術を行うためには必須のアイテムですが、問題は拭き取りの手間。光を照射した後、脱毛ジェルを拭き取るのに意外に時間を費やしてしまいます。
それも時間単価を下げてしまう要因ですが、おすすめは拭き取り不要の脱毛ジェルを使用することです。塗布したジェルはそのまま肌に溶け込んでいくため、施術にかかる大きな手間の1つを省略できることになります。
遅刻時の対処を厳格にする
どこの脱毛サロンも予約した時間に遅刻してくるお客様が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。理由はともあれ、もし遅刻してきた分、施術時間が伸びてしまうと、後ろの施術にも影響してしまう恐れがあります。
結果として時間単価が下がることにもなりかねないため、遅刻が目立つお客様にはきちんと注意しましょう。
- キャンセル料を取る
- 遅刻してきた分、施術を省略する
など、厳格に対処していくのも1つの手です。
時短コースを作る
スタッフ2人がかりで施術を行う「時短コース」を取り入れている脱毛サロンも見受けられます。時短である分、料金は高く設定できるので、通常メニューより短時間で大きな売上が見込めます。
ただし、相応に人手は必要なので、スタッフの手が空くことが多いという脱毛サロンにおすすめです。
施術時間が短いのはお客様も嬉しい
「時短コース」について触れましたが、施術時間が短いとお客様も喜んでくれることが多いです。
- 仕事終わりで疲れているから早く帰りたい
- 脱毛サロンの後に別の予定が入っている
このように、施術時間が短ければお客様にもメリットが多く、予約も入れやすいです。だからといって施術を粗雑に行っては意味がありませんが、より早く済ませることが高評価に繋がることも多いと認識しておきましょう。
脱毛サロンの時間単価を上げる際の注意点
先ほどお伝えしたように、時間単価を上げる方法はいくつかありますが、同時に注意点もあります。特に以下の2点には気を付けましょう。
- 適切な価格設定を心掛ける
- 照射漏れがないように注意する
適切な価格設定を心掛ける
時間単価を上げるにはメニューを値上げするのが手っ取り早いですが、やはりそう単純なものではありません。ご存知の通り、脱毛業界は非常に競争が激しく、特に限られた範囲に何店舗もの脱毛サロンが出店しているエリアでは、各店舗が身を削って価格競争を行っている状況です。
そのような中で不用意に値上げすると、そもそもお客様が来ないという事態にも陥りかねません。必ずしも値上げが悪いということではありませんが、近隣の競合も踏まえて慎重に検討してください。
照射漏れがないように注意する
施術時間を短縮しようとするあまり、焦って照射漏れを起こさないように注意してください。お客様の満足度が下がり、低評価の口コミを付けられる恐れもあります。
時間単価を上げる場合も、あくまで施術の質は保ったまま行うのが最低条件です。
空き時間を有効活用して生産性もアップ
脱毛サロンにおける時間単価の重要性をご理解いただけたでしょうか。
よく言われる客単価も疎かにしてはいけませんが、業界全体で低価格化が進む脱毛サロンにおいては、既存業務を効率化して時間単価を上げた方が売上は伸びやすい傾向にあります。施術時間を短縮できればたくさん予約を入れられるだけでなく、お客様にとってもメリットがあります。
また、施術時間を短縮して空き時間ができてもそれはそれで他の業務に時間を割くことができますよね。これまでは営業終了後に行っていた事務作業や、なかなか手を付けられなかったSNS活動など、空き時間を有効活用できれば生産性もアップします。