競合の多いエステ業界で生き残るためには差別化が大切ですが、その手法の1つとしてサブスクリプション型のメニューを導入しようと考えている方もいらっしゃるでしょう。
確かにサブスクリプションサービスはユーザーにとっても利用しやすく、あらゆる業界で取り入れられてきています。エステサロンも同様で、サブスクを導入することにはたくさんのメリットがありますが、ただ導入するだけでは十分な集客はできません。
本記事でエステサロンへのサブスク導入のポイントを押さえて、高い売上をコンスタントに獲得できるサロン経営を目指しましょう。
どのようなエステサロンにサブスクはおすすめ?
様々な業界で導入されつつあるサブスクは、以下のような悩みを抱えるエステサロンにおすすめのビジネスモデルです。
- リピーターが少ない
- 月々の売上にバラつきがある
- なかなか予約が埋まらず、隙間時間が目立つ
サブスクの具体的なメリットについては後述いたしますが、上記のような問題の改善が期待できます。
セルフエステのサブスク導入もおすすめ
サブスクに加えて、さらに他店との差別化を図りたいというオーナーには、近年需要が高まっているセルフエステの導入もおすすめです。
セルフエステは言葉の通り、お客さま自身に施術をしてもらうので、新たな人件費がかからず、スタッフ教育にも時間を要しません。
加えて、セルフエステでは個人が施術できるスペースがあれば十分なので、広いスペースを新たに用意する必要がなく、メニューに導入するハードルが低いのも特徴です。
エステサロンにサブスクを導入するメリット
エステサロンにサブスクを導入することにはどのようなメリットがあるのか具体的に説明します。
- リピート率が上がる
- 売上が安定する
- お客さまの来店時間を分散できる
リピート率が上がる
定額制であるサブスクを契約してもらえば、長い場合で数年間通い続けてくれることも期待できます。
一般的に、新規顧客を獲得するには、リピ―ターの獲得に比べて約5倍のコストがかかるといわれています。つまり、リピート率が優れてないエステサロンの場合、経営を維持するためには新規顧客の獲得に多額のコストを投じ続けなければならないということになります。
リピート率の改善には様々な手法が挙げられますが、サブスクのようなもともとリピート率が非常に高いメニュー形態を導入するのは特に有効だといえるでしょう。
売上が安定する
ほとんどの場合、サブスク型のメニューは月額制であるため、継続してもらっている限り、毎月決まった売上が入ってきます。すると収益の見込みが立ちやすくなり、備品の調達などの予算配分が容易になるだけでなく、スタッフのシフトなども調整しやすくなります。
お客さまの来店時間を分散できる
エステサロンにおける来店数はどうしても平日の夕方以降や週末に集中する傾向があります。一時的に混雑する時間がある一方、平日の昼間は時間を持て余してしまうということも珍しくありませんが、配置するスタッフの人数を決めるのも難しいですよね。
しかし、サブスクを導入しているエステサロンであれば、
- 平日のみ利用できるプラン
- 昼間のみ利用できるプラン
といったように、曜日や時間帯が限定されているプランも用意しています。その分、料金は安く設定しなければならないため、顧客単価は低くなりますが、お客様の来店時間を分散し、より効率的に運営できるようになります。
エステサロンにサブスクを導入するデメリット
エステへのサブスク導入は多くのメリットがありますが、以下のデメリットがあることにも注意しておきましょう。
- お客さまが予約をとりにくくなる
- 解約関連のトラブルが発生しやすい
お客さまが予約をとりにくくなる
定額の月額費用だけで何度通っても追加費用が発生しないプランを用意しているエステサロンも見受けられます。他店との差別化としては有効な手法の1つですが、大きなリスクはお客さまが予約をとれなくなってしまう恐れがあるということです。
いくら通い放題でも、思うように予約が取れないとお客さまとしても不満が募りますよね。もし事態が悪化してしまった場合は、以下のような方法で改善しましょう。
- 複数プランによって来店時間を分散する
- 利用可能回数・時間を見直す
- 料金設定を見直す
- 予約システムを見直す
店舗としてはお客さまに満足して利用してもらうことが優先です。運営側で改善できる範囲ではどうしようもない場合、新規契約をお断りするというのも選択肢の1つになってくるでしょう。
解約関連のトラブルが発生しやすい
契約後に金銭トラブルを起こすと、その対応に追われるだけでなく、サロンの評判にも大きく影響します。解約金や違約金を設定する場合、どのような条件でどれほどの金額が発生するのか、必ず契約前に説明しておくことが望ましいです。
尚、契約書は厳重に保管し、控えをお客さまにも渡しておく必要があります。
エステサロンのサブスク導入におけるポイント
エステサロンでサブスク導入を成功させるには以下の6つのポイントがあります。
- 十分な予約枠を確保する
- お試し期間を設ける
- 都度払いのサービスと組み合わせる
- 物販に力を入れる
- お客さまを飽きさせないサービスを提供する
十分な予約枠を確保する
サブスク型のプランを契約するお客さまは、月に何度も通える点に魅力を感じます。しかし、思うように予約が取れない状況が続くと、悪い評判が広がり、結果的に経営が難しくなってしまう恐れがあります。
- 営業時間を延ばす
- 1回の施術時間を短くする
など、必要に応じて予約数を増やし、顧客満足度を下げないようにしましょう。
お試し期間を設ける
いくらお得なサブスクであっても、どのようなサービスかわからない状態で契約するのはハードルが高いです。お試し期間として、通常料金よりリーズナブルな価格、あるいは無料でサービスを体験してもらい、まずはサービスの魅力を感じてもらうことに努めましょう。
都度払いのサービスと組み合わせる
サブスク型のメニューと一般的な都度払いのメニューはそれぞれメリットとデメリットがあります。
そのエステサロンや地域の特徴によって、どちらが有効かは変わりますが、おすすめは2つのメニューを併用すること。売上管理の手間は増えてしまうものの、幅広いユーザーのニーズに応えることができ、安定して高い売上を獲得できる可能性が高くなります。
物販に力を入れる
低価格のサブスク型のメニューを展開するうえでは、物販に力を入れて客単価を上昇させることも売上アップを図る手段の1つです。
サブスクによってお客さまが通う頻度が増えれば、お客さまとのコミュニケーションが増え、お客さまの肌質や悩みについてわかるようになってきます。そこで、お客さまに合ったホームケア商品や化粧品の購入を提案してみましょう。
売上が増えることはもちろん、お客さまと喜びを共有できたり、高い信頼を獲得できるといったメリットがあります。
お客さまを飽きさせないサービスを提供する
サブスク型のメニューは、その内容に飽きられてしまうと解約に繋がる可能性があります。そのリスクを防ぐためには、お客さまを満足させ続け、通い続けたいと思ってもらわなければなりません。
効果的なのは新メニューを導入することですが、備品の購入費用や施術スペースの拡張など、大きな費用がかかることが想定されます。長期間利用し続けてもらうために有効ではありますが、導入の際は費用や期待できる売上などを緻密に計算するようにしましょう。
サブスク導入によって差別化を図ろう
競争の激しいエステ業界で生き残っていくことは簡単ではありません。他店との差別化は必須といっても過言ではないでしょう。
エステサロンでサブスクを上手く導入すれば、差別化だけでなく、リピート率の改善や売上アップを図ることができます。本記事でご紹介したポイントを参考に、安定したサロン経営を実現させましょう。