エステサロンを訪れるお客様が求めているのは、施術の効果だけではありません。日々の疲れを解消できる癒しやくつろぎを得るために来店する方も多いです。お客様が心置きなくリラックスできる、非日常感のある空間を演出することは、顧客満足度アップに繋がります。
特別感のある空間作りに重要な要素の1つとしてインテリア選びが挙げられますが、特に店内の雰囲気に大きく影響するのが照明です。今回のコラムでは、エステサロンの照明を選ぶ際のコツを詳しく解説します。
エステサロンにおいて照明が持つ意味とは
照明は空間を明るく照らすと共に、空間全体の印象を決定する役割も担っています。また、照明が発する光の色や設置する場所は、その部屋にいる人物に異なる心理効果を与えると言われています。
例えば、電球で見られるようなオレンジ色に近い暖色系の色はリラックス効果があり、青みがかった寒色系の明かりは活動的な気分を演出することが可能です。
照明の選び方や配置次第で、空間内のイメージは大きく変わると言えます。
エステサロンでも同様に、照明の選び方や配置を工夫すれば、お客様にとって居心地の良い空間となるように店内の雰囲気を演出することが可能です。照明を利用して店内のイメージを調整する方法については、後ほど詳しく解説します。
エステサロンで取り入れられる照明の種類
エステサロンで取り入れられる照明は、大きく全体照明と部分照明の2種類に分けられます。
全体照明
全体照明とは、空間全体を均一の明るさで照らす照明のことを指し、天井に取りつけられることが多いです。サロン全体の雰囲気を左右するため、店舗のコンセプトに合うよう光の色やデザインを検討することが重要となります。具体的には、以下のような種類があります。
- ペンダントライト:天井から吊るすタイプの照明
- ダウンライト:天井に直接埋め込まれている照明
- シーリングライト:天井に取りつける照明
- シャンデリア:天井から吊るす装飾性の高い照明
天井から吊るすペンダントライトはデザインのバリエーションの多さが魅力。店内のイメージに合わせて、ゴージャスなイメージやナチュラルな雰囲気を自在に演出することができます。天井に埋め込むダウンライトは、天井をすっきりと広く見せられる点が特徴です。
一般家庭でもよく見られるシーリングライトは部屋全体を明るく照らすのが得意な照明で、自動でスイッチが入るような便利なタイプもあります。
シャンデリアは高級感を演出できる点が魅力ですが、重量があるため取り付ける際に天井を補強しなければならないことが難点です。
部分照明
部分照明は室内の一部分をピンポイントで照らすのに使われます。テーブルやベッドの上、床などに置いておしゃれな雰囲気を演出したり、店内のイメージに合うデザインを取り入れてサロン全体の統一感をぐっと高めたりすることができます。
主に、以下のような種類のものが取り入れられることが多いです。
- スポットライト:狭い場所を集中的に照らすことができる照明
- フロアスタンド:持ち運びが簡単な床の上に置く照明
- テーブルスタンド:テーブルのような台の上に置いて使う照明
- ブラケットライト:壁や柱に取り付ける照明
- フットライト:廊下や階段に設置される足元を照らすための照明
スポットライトは壁の一部を照らして高級感を演出できる他、観葉植物やオブジェなどを照らして影を作ると立体感を生み出すことが可能です。特定のものを照らす際に役立つため、施術時にお客様の顔に光が直接当たるのを避けつつ施術部位を照らす際にも重宝されます。
テーブルスタンドは室内のアクセントとして使うことができるほか、お客様がスマートフォンや雑誌を閲覧する際に手元を明るく照らすことも可能です。
フットライトを取り入れると、お客様が歩きやすいよう足元を照らしたり、ベッドの下に置いてリラックスできる空間を演出したりすることができます。
エステサロンの照明を選ぶコツ
ここからは、エステサロンの照明を選ぶ際のコツを詳しく解説していきます。
- 目に優しいものを選ぶ
- コンセプトに合わせる
- ランニングコストに配慮する
- 場所ごとに適切な照明を選ぶ
目に優しいものを選ぶ
大前提として、エステサロンの照明は目に優しいものを選ぶ必要があります。非日常を求めてエステサロンを訪れるお客様にとって、眩しい光はくつろぎの妨げになってしまうためです。
オフィスや学校などによく取り入れられている蛍光灯のように色の薄い明るい光は、活発な印象を与えると言われており、リラックス効果を求める方にとっては刺激が強すぎるかもしれません。暖かみのある白熱灯を取り入れると、落ち着いた雰囲気を演出できるでしょう。
なお、光の強さや色味を自由に調整できる調光調色機能を備えた照明を取り入れると、イメージしていた雰囲気と違うといった事態を防ぐことができます。
コンセプトに合わせる
お客様に選ばれるエステサロンを作るためには、ターゲットに応じて策定したコンセプトに沿った内装を取り入れることが欠かせません。
以下のようにエステサロンの方向性に合わせた照明を選ぶと、サロンのコンセプトをより強く体現した内装を実現させることができるでしょう。
- アジアンテイストのエステサロン→ラタン素材のテーブルスタンド
- 高級エステサロン→おしゃれなシャンデリア
ランニングコストに配慮する
- 家賃
- 人件費
- 美容機器のメンテナンス代
- 備品・消耗品購入費
- 水道光熱費
- 通信費
- 広告宣伝費
エステサロンを経営していると、上記のように様々なランニングコストが発生します。毎月の出費をどれだけ削減できるかが利益に大きく影響するエステサロンにとって、月々の電気代も決して無視できません。
照明を取り入れる際には、購入費用だけでなく、月々の電気代についても考慮する必要があります。電気代を節約するためには、白熱灯や蛍光灯よりも電気代が安いLED電球がついたものを選ぶことをおすすめします。
LED電球は低電力であるだけでなく、約10年交換せずに使用できると言われています。白熱電球の約20倍以上、蛍光灯の約3倍以上長持ちするため、買い替え費用も大幅に節約することが可能です。
場所ごとに適切な照明を選ぶ
施術室にはとことんくつろげる安心感のある空間を、トイレには程よく清潔感のある空間を、というように、エステサロンの中でも場所によって求められる雰囲気は異なります。お客様が過ごしやすいサロン作りには、場所に応じて適切な照明を選ぶことも大切です。
- 入口・廊下
- 施術室
- トイレ
入口・廊下
エステサロンの入り口や廊下はお客様が来店して最初に訪れる場所であり、サロンの印象を左右するポイントでもあります。
店内を明るく照らす全体照明に加えて、リラックス効果のある暖色系の光を発するフットライトやテーブルスタンドといった間接照明を利用すると良いです。奥行きのある空間を演出でき、お客様が施術や接客に期待感を持ってくれるでしょう。
生活感が出てしまいがちな自宅サロンの場合は要注意。一般家庭で使われるような単調なデザインのシーリングライトは避け、おしゃれな色やデザインの照明を積極的に取り入れることをおすすめします。
施術室
施術室の照明を検討する際に大切なのは、お客様がくつろげる雰囲気作りとスタッフが施術しやすい明るさを両立させることです。
ベッドの下にダウンライトを置いたり、枕元にテーブルスタンドを設置したりすると安らぎのある空間を演出できます。
一方、スタッフの手元や足元が暗すぎると正確な施術ができなかったり、思わぬ事故の原因となったりしてしまう可能性があります。施術部位を照らすスポットライトを取り入れるといったように、安全に施術できる環境を整えることを忘れないようにしてください。
なお、日本エステティック研究財団はエステティックの衛生基準において、施術室の照度(明るさ)は300ルクス以上が望ましいと提唱しています。
参考:http://www.jerf.or.jp/eiseikijun/index.html
300ルクスは「キッチンでの料理や洗濯といった作業が十分可能な明るさ」だと言われています。施術室の照明を検討する際には、ぜひ参考にしてみてください。
トイレ
暗めの施術室にいたお客様が明るいトイレに移動すると、眩しさを感じてしまうでしょう。特別感のある施術室から現実に引き戻されたように感じる方もいるかもしれません。
明るさは抑えつつ、清潔感を感じられるような照明が求められます。ペンダントライトを高めの位置に吊るしてお客様の目に直接光が入らないようにしたり、ダウンライトを複数配置したりすることをおすすめします。
照明までこだわってくつろぎ空間を演出しよう
エステサロンのインテリアは、店内の雰囲気を大きく左右します。ベッドやソファといった大きなインテリアだけでなく、細部までこだわり抜いて選ぶと良いです。
特に、照明はコンセプトに沿った空間を演出するのに活躍してくれます。今回ご紹介したポイントを押さえて照明を選び、おしゃれで快適に過ごせるエステサロンを目指してみてはいかがでしょうか。
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