自宅で美容サロンを経営している方や自宅サロンの開業を控えている方にとって、防犯対策は大きな懸念点の1つではないでしょうか。
サロンの住所、つまり自宅の住所を公開して不特定多数のお客様に来店してもらう以上、自宅サロンでは防犯対策に十分注意しなければなりません。
今回のコラムでは、自宅サロンにおける防犯対策について詳しく解説していきます。安全に自宅サロンを経営する上で役立つおすすめのアイテムも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
自宅サロンが防犯対策を徹底すべき理由
自宅サロンが防犯対策を徹底すべき理由として、以下の2点が挙げられます。
- 住所を公開する必要がある
- お客様と2人きりになることがある
住所を公開する必要がある
特定商取引法において、自宅でサロンを開業してWebサイトやチラシなどで集客を行う場合、以下の情報を明示することが義務付けられています。
- 事業者の氏名(名称)
- 住所
- 電話番号
大手サロンと比べて認知度で劣ることが多い自宅サロンでは、ホームページやWeb広告といった様々な媒体を使った集客活動が欠かせません。住所を明示せずに自宅サロンを経営することは難しいです。
自宅サロンの場合は「サロンの住所=自宅の住所」であるため、必然的に自宅の住所を公開することになります。空き巣や強盗といった犯罪のターゲットになる可能性が高まってしまうでしょう。
サロンの営業とは関係のない家族が犯罪に巻き込まれてしまうリスクもあることから、自宅サロンではより一層防犯対策を徹底しなければなりません。
お客様と2人きりになることがある
他にスタッフを雇うことなく1人で営業する自宅サロンでは特に、お客様と1対1で接客する場面が多くなります。そのため、悪意のある人物がお客様のふりをして店内に侵入しようとするケースが考えられます。
他に住人がいるように見せかける、犯罪に巻き込まれそうになった際の対応を決めておくといった対策が求められます。
自宅サロンで実施すべき防犯対策
ここからは、自宅サロンを守るために実施すべき防犯対策を詳しく紹介していきます。
- 電話転送サービスを利用する
- 居住スペースの情報を公開しない
- セキュリティ会社と契約する
- 盗難保険に加入する
- 自宅に1人しかいないように見せない
- 緊急時の対応を決めておく
- 金銭・在庫・顧客情報の管理を徹底する
- 居住スペースは施錠する
電話転送サービスを利用する
電話転送サービスとは、掛かってきた電話をあらかじめ登録した他の携帯電話や固定電話などに転送するサービスを指します。
先述した通り、ホームページやチラシなどを用いて集客する場合は自宅サロンの電話番号を公開する必要があります。このとき、プライベートで使用している固定電話や携帯電話の番号を使用するのはおすすめできません。
個人の電話番号を悪用されてしまうと、電話番号と連携しているSNSのアカウントを乗っ取られる、身に覚えのない架空の請求をされるといった事態が起こり得るためです。
電話転送サービスを利用すれば、プライベートで使用する電話番号を公開することなくお客様からの問い合わせに対応することが可能です。
集客に用いる媒体にお客様からの連絡を直接受ける専用の電話番号を記載しておけば、その番号への着信に自身の端末で対応することができます。
居住スペースの情報を公開しない
今や多くの美容サロンがSNSを用いた集客を行っており、自宅サロンも例外ではありません。InstagramやTikTokなどを利用して店内の様子を画像や動画で発信すれば、来店前のお客様に親近感を持ってもらうことができます。
ただし、不特定多数のユーザーが閲覧するSNSは、多くの方に情報を届けられると同時に、簡単に個人情報を悪用されてしまうリスクもはらんでいます。
店内を撮影しているつもりでも、誤って家族や居住空間、プライベートな私物が写り込んでしまうと、個人情報を特定されてしまいかねません。SNSに掲載する写真を撮影する際には、サロンとして使用しているエリアだけを写すよう十分注意してください。
セキュリティ会社と契約する
防犯対策を行う上で最も効果的な方法の1つとして、セキュリティ会社と契約することが挙げられます。セキュリティ会社の法人向けプランを利用すれば、以下のような対策を実施してもらえます。
- 防犯カメラの設置
- 非常用の押しボタンの設置
- 不審者を検知するセンサーの導入
- 異常時の駆けつけサービス
10万円近くの初期費用や月額1万円前後の料金が発生するのは難点だと言えますが、防犯のプロによる手厚いサービスを受けることが可能です。
盗難保険に加入する
自宅サロンで盗難に遭ってしまうと、居住スペースにある金目の物に加え、高額な美容機器やサロンの売上が入ったレジ、金庫などを持ち出されてしまう可能性があります。大きな損害を被り、サロンの経営に悪影響が生じてしまうでしょう。
盗難保険に加入しておけば、万が一盗難に遭ってしまった場合に一定の金銭的な補償を受けることができます。安定したサロン経営を続けるためにも、不測の事態に対するリスク管理は大切です。
自宅に1人しかいないように見せない
自宅サロンに1人しかいないことがわかると、不審者に狙われるリスクが高くなります。以下のような方法で自分以外の誰かがいるように見せかけると、犯罪者に狙われづらい環境を作ることが可能です。
- 男性用の靴や傘を玄関に置く
- リビングの電気をつけたままにしておく
- テレビをつけたままにしておく
- 男性用の衣服を定期的に干す
「監視中」のような犯罪者への注意を喚起するメッセージ、あるいは契約しているセキュリティ会社のステッカーを店内に掲示しておくことも、犯罪の抑止力アップに繋がります。
緊急時の対応を決めておく
店舗を構えるサロンでは、不測のトラブルに対処する方法を詳細にまとめたマニュアルが設けられていることが一般的です。しかし、経営方針について個人の裁量が大きい自宅サロンでは、緊急時の対応がはっきり定まっていないことも多いのではないでしょうか。
突然犯罪に巻き込まれた際の対応を決めておくことで、万が一の事態にも気が動転せずに落ち着いて対処しやすくなります。緊急事態に対して取るべき行動を考えることは、自分自身の防犯意識の向上にも繋がるでしょう。
金銭・在庫・顧客情報の管理を徹底する
複数のスタッフの目があるサロンとは異なり、1人で接客することが多い自宅サロンは抑止力が小さく、悪事を働きやすい環境であると考えられます。
お客様が問題なく施術を受けてくれた場合でも、目を離した隙に備品を盗まれる、わざと金銭に関するクレームを入れられるといった事態が起こり得ます。
自宅サロンを経営する上で重要性が高い売上や備品の在庫、顧客の情報は徹底的に管理しなければなりません。それぞれのお客様にレシートや領収書を渡して売上を記録する、備品の在庫を毎日確認するといった対策が求められます。
お客様の個人情報を持ち出されると、お客様を犯罪に巻き込んでしまう恐れがあります。そのため、カルテのような顧客情報は厳重に管理しなければなりません。
電子端末で管理している場合は複雑なパスワードや二段階認証を取り入れる、紙媒体はお客様が立ち入れないエリアで保管するといった対策を講じましょう。
居住スペースは施錠する
自宅サロンでは、サロンとして使用するエリアと日常生活で利用するエリアの区別が曖昧になりがちです。営業中は居住スペースの施錠を徹底し、お客様が施術スペースや受付、トイレなど以外には入れない状態を保つことをおすすめします。
居住スペースにある私物や金品の盗難だけでなく、お客様が誤って生活空間に立ち入ってしまうのを防止することが可能です。
安全な自宅サロン経営に役立つアイテム
自宅サロンを経営する上で役立つ代表的なアイテムとして、以下の7点が挙げられます。
- 補助錠
- シャッター・目隠し可動ルーバー
- 屋外用センサーライト
- 防犯カメラ
- 人感センサー付きチャイム
- 警報器
- 盗難防止アラーム
鍵は2つ以上設置する、窓の外からの視界をさえぎるシャッターや目隠し可動ルーバーをつけるなど、侵入させない、犯罪を起こさせないための環境作りが大切です。
盗難防止アラームは、レジや美容機器のような持ち去られるリスクの高いものに設置すると良いです。近年では、スマートフォンのアプリと連動しており外出時にも異常を検知できるものもあるため、ぜひ導入してみてください。
防犯対策を徹底して安全なサロン経営を目指そう
防犯対策には少なからず費用負担が発生します。しかし、盗難や個人情報の悪用に遭ってしまった場合の大きな損害や経営への影響を考えると、多少の出費を伴ってでも防犯対策を実施する方が安心だと言えます。
今回ご紹介した防犯対策を積極的に取り入れ、自宅サロンの安全な経営に繋げてみてはいかがでしょうか。
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