エステサロン経営において、お客様の満足度を高め、長期的にビジネスを成功させるためには、顧客管理の最適化が重要です。施術や接客の質も問われますが、案内や予約がスムーズであるか、自分に合ったサービスを提供してくれるかなどでより他店舗と差別化することができます。
今回の記事では、エステサロンが顧客管理を行う重要性と、効率的な顧客管理方法について解説します。
エステサロンの顧客管理とは
顧客管理とは、取得したお客様の情報をもとに、より質の高いサービスを提供する一連の行動を指します。顧客管理の主な目的は、顧客満足度を高め、効率の良い運営を行うことにあります。
エステサロンでは、お客様のカルテを作成し、顧客情報を管理することに加え、それぞれの体質や現在感じている不満点などを分析します。そこからお客様一人ひとりに最適なサービスを提供したり、考えられる傾向から今後のマーケティングに活用することも行います。
エステサロンの顧客管理の重要性
エステサロンの顧客管理は、以下のような観点から重要です。
リピーターの獲得につながる
お客様それぞれに個別の対応が求められるエステサロンでは、お客様の過去の予約履歴や施術の詳細を把握することで、満足度を向上させることができます。顧客満足度が上がるとリピーターがつき、売上の安定につながります。
マーケティングに活かせる
顧客管理により顧客情報からお客様のニーズや傾向を把握することで、マーケティングに活かすことができます。例えば、お客様の趣向、ライフスタイルに合わせた新サービスやキャンペーンを展開することなどが考えられます。
また、顧客管理によって情報が共有されていると、一度離れてしまったお客様の情報を保存し、分析することもできます。分析した情報をもとに最適なマーケティングを行い、再度来店してもらうことも可能になります。
エステサロンの顧客管理で行うこと
エステサロンにおける顧客管理は様々なものがありますが、代表的なものを以下に挙げます。
- 顧客情報の収集・管理
- 顧客情報の分析
- 予約管理
- 物販管理
顧客情報の収集・管理
顧客管理の基本は、お客様の情報を収集し、管理することです。エステサロンにおいて顧客管理に必要となる最低限の情報は次のようなものです。
- 氏名や連絡先等の基本情報
- 来店日・時間・施術メニュー
- 施術前の身体、肌の状態
- 施術中の様子・施術で気を付けた点
- 施術後の様子
- 販売記録
- 現在の悩み
- 理想の姿
また、複数の媒体に広告を出稿している場合、媒体別に来店数を記録したり、媒体別の成約率を計測することも考えられます。一定期間以上計測を続けると、媒体の取捨選択ができ集客効率を上げることにも貢献します。
顧客情報の分析
顧客管理では、上述した情報をもとに、顧客情報の分析や分類を行います。お客様のニーズや傾向を分析することで、より個人に適したサービスの提供や、新規顧客開拓のマーケティングにつなげることができます。
予約管理
予約管理では、お客様の予約情報を管理し、スムーズな業務運営を実現することを目指します。スタッフそれぞれが担当した予約の受付を統合し、予約の重複などがないようにします。
物販管理
売上管理では、サロンの中で何が売れていていくつ残っているかという情報の管理を行います。それぞれのお客様がどの商品を購入し、定期的なリピートにつながっているかを分析することも重要です。顧客情報と照らし合わせることで、商品が売れている、売れていない理由の分析も行います。
エステサロンの顧客管理方法
エステサロンの顧客管理を行う方法は、以下の3つが考えられます。
- 紙のカルテ
- エクセル
- 顧客管理システム
エステサロンでは、それぞれのサロンで施術内容やカルテの項目が異なるため、紙に情報を記述してファイルで管理するというサロンが多いようです。エクセルが使える場合は、パソコンによる管理を行うのも1つの手段でしょう。
ただ、顧客数が増えた場合には紙のカルテでの管理が難しくなります。エクセルでの管理も、効率的な管理システムを作成しておくことにハードルがあります。
顧客管理システムとは、顧客管理に特化した業務システムのことです。エクセルに代わる最小限の機能のものから、顧客データを営業やプロモーションに活用したり、カスタマーサポートに活用できるものまでその種類は多岐にわたります。
顧客管理システムを導入することで、顧客情報の統合、部門全体での共有と有効活用が可能です。お客様のニーズと情報を正確かつ迅速に把握するために、エステサロンには顧客管理システムの導入をおすすめします。
エステサロンではPOSアプリの導入がおすすめ
近年、顧客管理システムとしてPOSアプリを採用するエステサロンが増加しています。物品を販売した時点での情報を商品ごとに記録するPOS(Point of Sale)システムを搭載したアプリであり、個人でのビジネスや小規模の店舗に向いています。
POSシステムでは、以下のようなことができます。
- 売上情報管理
- 商品情報管理
- 在庫情報管理
- 顧客情報管理
- 勤怠管理
- 売上分析
情報をシステムに集約することができ、顧客情報や予約管理などを統括できるため、大幅な業務効率の改善が見込まれます。複数の店舗がある場合や、ネットショップと実店舗の両方がある場合も、統合的に売り上げやコストを管理できます。メールなどによる予約の管理も、システムが一括して行ってくれるものもあります。
また、販売管理機能を使うと会計時の販売状況と在庫管理が自動的に連動し、在庫管理業務が最適化されます。
このようにシステムが自動化されているため、予約の重複や日程を取り違えてしまうなどのヒューマンエラーがなくなるのも大きな利点です。
POSアプリのメリット
POSアプリはハードウェアと一体化された他のPOSシステムと異なり、タブレットにインストールされていることが特徴です。エステサロンの顧客管理にPOSアプリを導入することには、以下のようなメリットがあります。
- 持ち歩きが可能
- 導入コストが低い
- 設置スペースをとらない
- 操作方法が簡単
持ち歩きが可能
POSアプリのメリットとしてまず挙げられるのは持ち歩きが可能という点です。タブレットなどにPOSアプリをインストールしておけば、お客様の情報を確認しながらカウンセリングするということも可能になります。
また、情報がクラウド上に保存されているため、アカウント情報さえあれば店舗外からも情報を確認・管理できるため、緊急時の対応や、隙間時間を使って売上を確認したりすることも可能です。
コストが低い
コストが低いこともPOSアプリの大きなメリットです。据え置きのPOSシステムであれば、数十万円の初期費用がかかるものもありますが、POSアプリであれば無料のものから、高くても月々数千円で利用することができます。
設置スペースをとらない
エステサロンでは店舗の内装がリラックスできるようにデザインされていることも重要です。そのため、お客様がゆったり過ごすスペースに大きな機器を置くことはできるだけ避けたいです。
POSアプリはスマートフォンやタブレットさえあれば利用できるため、設置にスペースを取らず、店舗の内装を邪魔することもありません。
操作方法が簡単
レジのような据え置きのPOSシステムは、操作が複雑で覚えるのに時間がかかるものもありました。
近年のPOSアプリはユーザビリティを高めることにも力を入れており、簡単に便利な機能を使えるものが多いです。また、POSアプリは使い慣れたモバイル端末を使用するという点でも、操作性に優れているといえます。
顧客管理システムを活用して業務を効率化しよう
いかがでしたでしょうか。当記事ではエステサロンにおいて顧客管理が重要であるということと、現在主流になっている顧客管理システムについて解説しました。
顧客管理ができるPOSアプリにはさまざまな種類があるので、ご自身のサロンに最適なものを選んでぜひ活用してみてはいかがでしょうか。